■インピンジメント(衝突)症候群
野球肩で一番多いインピンジメント(衝突)症候群の発生要因と改善方法です。
野球肩になると改善には時間がかかるので何よりも予防が大切です。トレーニングを毎日継続して思い切りボールが投げられる肩を作りましょう!

■インピンジメント症候群のセルフケア
・肩に痛みが出た時は無理せずトレーニングを中止して下さい
・痛い方の肩だけではなく両肩をトレーニングして下さい
・トレーニングは一日に3回行うのが理想です(朝もしくは昼休み、練習後、就寝前)
・トレーニングは軽い負荷で十分効果があります(負荷が高いトレーニングを行った場合は逆効果になりますので注意してください)
・不明な点がありましたら何でも質問して下さい
※トレーニング行う際はご自身の体調に十分に留意し無理のない範囲で行ってください
万が一怪我や不調が生じた場合、当院では一切の責任を負いかねますことをご了承ください
◆肩関節のストレッチ①(棘下筋・小円筋)

・右手の甲を右お尻の上側に当てます。左手で右ひじをつかみ前に引っ張って右肩から肩甲骨にかけて伸ばします
・無理のない範囲でゆっくりと関節可動域の限界までひじを前に引っ張り出します
・15~20秒ストレッチします
【ポイント】
・左手が届かない場合は、肩からひじにかけて指先でたどっていくとひじをつかみやすいです
◆肩関節のストレッチ②(三角筋・棘下筋・小円筋)
・右腕を胸の前で横にのばし左手で手前に引き寄せます。左手を体からなるべく遠く(手首寄り)離したほうが、テコの原理が働いてしっかりとストレッチできます
・手のひらを返して同様に行います。その際、手首だけひねるのではなく、肩からひねるようにします
・15~20秒ストレッチします
◆肩関節のストレッチ③(上腕三頭筋)

・右ひじを曲げて、後頭部のところに用意します。左手で右ひじを斜め下に引っ張り肩をストレッチします
・15~20秒ストレッチします
◆肩関節のストレッチ④(大胸筋・三角筋)

・背中側で両手の指をからめて手を組みます
・ゆっくりと上体を前に傾けていき、両腕を地面に対して垂直に近い状態にします
・15~20秒ストレッチします
◆肩関節のストレッチ⑤(三角筋・棘下筋・小円筋)
・四つばいの姿勢から、右腕を胸の下に通して、逆側に伸ばします
・手のひらは上向きにして肩の後ろ側をストレッチします
・手の平の向きを返して下向きにし、腕を内側にひねります
・15~20秒ストレッチします
【ポイント】
・右肩を床にぴったりと着けるようにしましょう
◆肩甲骨のエクササイズ
・四つん這いになり両手の指先を内側に向けます
・肩を落として肩甲骨を中央に寄せます
・胸を上げて肩甲骨を開きます
・10回繰り返します
◆手首・前腕のストレッチ
・右手のひらを前向きにセットします。左手で下向きにした指先を手前に引っ張ります
・15~20秒ストレッチします
◆ローテーターカフのストレッチ
・ひじを曲げて上腕を身体の横に水平にセットします。てのひらを出来るだけ後方に倒し腕を外側にひねります
・ひじの位置は固定したまま、手のひらを返しながら前にもってきて、腕を内側にひねります
【ポイント】
・後ろに引いた時には手のひらは内向きに、前に出した時は外向きにします
◆バットを使ったストレッチ①(棘下筋・小円筋・三角筋)
・背中側でバットを持ちます
・左手を上にしてグリップ側を、右手を下にしてヘッド側を握ります
・左手でバットを引き上げて、右肩の関節可動域を広げます
・10往復します
◆バットを使ったストレッチ②(肩甲下筋)
・右ひじの後ろ側にバットを用意します
・右手の指先でグリップを持ち、左手でヘッド側を握ります
・左手でバットのヘッドを前に持ち上げます
・15~20秒ストレッチします
◆バットを使ったストレッチ③(棘下筋・小円筋)
・バットを両手で持ち、体の前に水平に掲げます
・右手はひねって内旋させてグリップ側を持ちます
・バットを頭上に持ち上げます
・ゆっくりと上下してストレッチします
・10往復します
◆ダンベルを使用したトレーニング①(棘下筋・小円筋)
・横向きで寝て、わきを閉じたままヒジを直角に曲げます
・1~2Kg程度の軽いダンベル(体重2%程度の重量)を持ってゆっくりと上下させます
【ポイント】
・脇にタオルをはさめておこないましょう
・動かす範囲は下側が60度、上側が30度とします
・回数は最初は10回程度、慣れてきたら30回を目標にします
・ダンベをル下降する際に毎回同じ場所に着けることで軸の位置が安定し三角筋の参加を抑えることができます
◆ダンベルを使用したトレーニング②(棘上筋)
・横向きで寝て、わきを閉じたままヒジを伸ばします
・1~2Kg程度の軽いダンベル(体重2%程度の重量)を持ってゆっくりと上下させます
【ポイント】
・動かす範囲は30度とします
・手の甲を上向きで10回、親指を下向きで10回、親指を上向きで10回上下して刺激を変えます
・ダンベルを下降する際に毎回同じ場所に着けることで軸の位置が安定します
◆ダンベルを使用したトレーニング③(肩甲下筋)
・横向きから45度体を開いて下の肘を体につけて90度曲げます
・3~4Kg程度のダンベル(体重の5%程度の重量)を持ってゆっくりと上下させます
【ポイント】
・動かす範囲は下側が45度、上側が45度とします
・回数は最初は10回程度、慣れてきたら30回を目標にします
・ダンベをル下降する際は床に着けず切り返し動作をすることで『しなり』の際の強制的な引き延ばしに耐えるトレーニングになります